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天国の扉

セフレの彼は幼なじみ5

「う、すまん。もう大丈夫だぞ。服着ても」

 数分経って、やっと我に返った陸翔が言った。

 気まずそうに身体ごと横へ向けて。

「あ、えっと……。その……まだ違和感あって……。気持ち悪くて……」

 うつむき加減で言う菜那美。

「何ともないように俺には見えるけど、もし気になるなら医者へ行った方がいいな」

「ううん、知らない人に触られちゃったから、こんな嫌な気持ちになってるのかも……。ねぇ、ちょっとだけでいいから触ってくれる? 陸翔に触ってもらえたら、あの人に触られたことを少しは気にせず済むから。『感触の上書き』をしてほしいの」

「ちょっ……! 菜那美……お前なぁ」

 明らかに狼狽した様子の陸翔。

 陸翔の目は、せわしなく泳いでいる。

「大体、『感触の上書き』って何なんだよ。パソコンかスマホのデータ上書きみたいに言って……」

「だって……。後から陸翔に触ってもらえれば、そのことがしっかり意識に残って、前の人の嫌な印象を薄れさせることができるじゃん……」

「論理がイマイチ分かんないな。そ、それに……。お前、ホントに正気かよ。そんなにやすやすと触らせるものじゃないだろ」

 陸翔は呆れたように首を振る。

 しかし、彼が冷静な状態でないことは、その泳ぐ視線や小刻みに揺れている身体などから、容易に察することができた。

「私たち……昔、一緒にお風呂や温泉に入ったことあるでしょ?」

「そりゃ、だいぶ前の話だろ。俺たちも幼かった」

「それでも、一緒に裸でいたことには変わりないし……。ホントに……どうしてもダメかな? 気持ち悪い? 汚らしい?」

 ここまで来て、もはや引き下がることはできない菜那美は、必死に迫る。

 僅かずつではあるが、陸翔の方へ身体をずらして近づけていきながら。

「キモイとか汚いとか、一言も言ってないだろ。さっき言ったように、綺麗だと俺は思う」

「それなら、お願い……! 私を助けると思って。どうしても嫌なら、ほんの数秒でもいいから……」

 再び目を閉じる陸翔。

 悩んでいる様子だった。

 しばし間があって、陸翔は口を開く。

「分かったよ」

 一言それだけ言うと、そっと菜那美のむき出しになっている股間へと手を伸ばす。

 依然として軽く揺れている陸翔の身体を見れば、緊張と動揺が全く薄まっていないことがはっきり分かる。

 何気ない風を装ってはいるが。

「あっ……」

 陸翔の手が、花唇に触れた瞬間、思わず声をあげる菜那美。

 陸翔は菜那美の表情を確認したが、痛がっている様子も不快そうな様子もみられないので安心したのか、そのまま触り続けていく。

 花蜜を拭き取るかのような指の動きに、菜那美は快感を感じ、腰を軽く浮かせていた。

 陸翔は、ゆっくりと、優しく、そこを撫でつづけていく。

 いつしか、二人の呼吸は尋常じゃないほどに荒れてきていた。

「このぐらいでいいか?」

 荒い息の下、陸翔が聞いた。

 恐らく興奮のためだろう、彼の身体は小刻みに揺れている。

「もうちょっと……」

 菜那美の答えに、陸翔は溜め息をついた。

 そして、指を引っ込める。

「お前なぁ……。もう十分すぎるほど触っただろ」

「そんなに嫌かな……」

 悲しげにうつむく菜那美。

 陸翔はさらに溜め息をつき、答える。

「菜那美、あのなぁ……。嫌とか言ってないだろ。……じゃあ、もうはっきり言わせてもらうけど……。俺だって男だ! こんなことさせられると、普通に興奮もする。見てみろよ、これ」

 陸翔はそう言って、大きく膨らんだ制服のズボンの前部分を見せた。

 半ばヤケクソ気味な様子で。

 陸翔のそこを黙って見つめる菜那美。

 菜那美の目には、決していやらしくは映らなかった。

 やはり、「愛する陸翔が自分を見て触って、こんなに興奮してくれた」という喜びが大きく、菜那美はうっとりとしている。

「こんなにされて、俺は辛いんだぞ! この行き場のない欲望がな!」

「私で興奮してくれてありがとう。陸翔、ごめんね。私だって同じだよ。ものすごく興奮してる……」

 お前が言い出して始めたことだろ、などとなじるようなことは陸翔はしなかった。

 それどころか、普段の彼らしくもなく、とんでもないことを言い始める陸翔。

「じゃ、じゃあ……菜那美さえよければ、その……エッチするか?」