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天国の扉

猫好き男子と大人な部長17

 しばらくして、唇を離した修馬が、優しい表情で言った。

 架恋の側頭部と頬を軽く撫でながら。

「素敵だったよ、架恋。俺のを受け入れてくれて、ありがとう」

「こちらこそ、ホントに……ありがとう。ありがとうって言葉だけじゃ言い表せないくらい……いっぱい感謝してるよ……。修馬君……大好き……」

「架恋……俺も愛してるよ」

 再び二人の唇は重なり合った。

 さっきほど濃厚なキスではないが、唇をすぼめたり戻したりしながら、お互いの唇を愛おしそうに味わう二人。

 幸せそうな笑みを浮かべて。

 キスの合間に、架恋が呟く。

「お腹の中、修馬君のでいっぱいだよ……幸せ……。身体中をぴったりくっつけてるんだね、私たち……。しっかり繋がってるね……」

「そうだな……一つになってる。俺のが架恋を貫いてるな」

「うん……! 修馬君が私の中にいてくれてる……!」

 陶酔感あふれる眼差しのまま、二人は何度も何度もキスを重ねた。

 その後、どちらからともなく、もう一度交わることにした二人。

 先ほどと同じ対面座位の体位へ移行すると、熱く激しく愛し合った。

 言うまでもないことだが、最後はやはり修馬の樹液を花筒の中へ受け入れた架恋。

 幸せいっぱいの架恋は、「このまま一晩中愛し合いたい」とすら思っていたのだが、修馬の疲労が顕著に表れているのを見て、その気持ちは胸にしまい込んでおくことに。

 忙しい一週間を終えたばかりの金曜夜なので、修馬の疲労度が高いのは致し方ないことだった。

 いくら、体力的に自信を持っている修馬とはいえ。

 それでも、裸のまま二人で寝そべっていると、修馬が言った。

「それじゃ、今夜は俺のを架恋の中に入れたまま寝るか。繋がったまま」

 思いも寄らぬ提案に、架恋の心は浮き立った。

 架恋が二つ返事で了解したのは言うまでもない。

 二人は寄り添いながら、いつしか眠りに落ちていった。

 翌土曜の午前中、二人はデートで例のショッピングモールに立ち寄っていた。

 気前良く、色々と買ってくれたり、「疲れてない?」などと声をかけてくれたり、修馬の至れり尽くせりの気遣いに、胸がキュッとなるほど嬉しい架恋。

 架恋は心密かに「いつまでもこんな風に、一緒にいられたらいいなぁ」と切に願っていた。

 しばらく歩いた後、ふとジュエリーショップ前にて立ち止まる修馬。

 架恋の手を引きながら修馬が言った。

「入ろう」

「え……そんな……」

「ん? こういうお店には興味がないのか?」

 不思議そうに尋ねる修馬。

 架恋はうつむき加減で答えた。

「そ、そういうわけじゃなくて、興味はあるけど……。でも、宝石類って、どれもそこそこのお値段がするでしょ。今、手持ちが少ないし、かと言って、そんな高額なものを買ってもらうのも悪いし……」

「いや、俺が見たいから、店に入りたくて。架恋もついてきてくれ」

 架恋も「そう言って、結局は何か買ってくれるつもりなんじゃないかな」と薄々気づいており、申し訳ない気持ちはあったが、断る理由を探すのも難しかった。

 なので、「うん」と言って頷く架恋。

 修馬は満足げに頷くと、架恋の手を引いたまま、一緒に店内へと入っていった。

 店内には、架恋たち以外の客がたった一人しかいなかったため、店員たちの熱い視線を受けてしまうことになった二人。

 修馬は特に気にする様子もなかったが、架恋は少し居心地が悪く感じていた。

 修馬と一緒に店内を見て回りつつも、架恋は時折こっそりと店員たちの様子をさりげなく確認してしまう。

 心の中で、「このまま何も買わずにお店を出て行きにくい空気だなぁ」と架恋は思った。

 すると修馬が、一つのショーケースの前で立ち止まったので、架恋も足を止める。

 そこにはペアリングが何種類か、展示されていた。

 顔を輝かせて修馬が口を開く。

「ホントは、ネックレスかイヤリングでも買ってあげようかと思ってたんだけど、こっちの方がいいね! 付き合い始めてまだそれほど経っていないのに、いきなり指輪をプレゼントするって、ちょっと重いかなぁって思って諦めてたんだけど……ペアリングなら問題ないでしょ」

 思わず値札を確認する架恋。

 他の宝石やアクセサリーに比べるとお手ごろな値段ではあったが、それでも決して安い買い物ではないのは明らかだ。

 店員に聞こえぬよう、声を最小限まで抑えて架恋が答える。

「で、でも……やっぱりそこそこ値が張るから……申し訳ないよ」

「遠慮しなくてもいいって。それとも、架恋は俺とペアリングをしたくない?」

「もちろん、したいよ。だけど……」

 架恋は欲しくて欲しくて仕方ない気持ちを抑えて、修馬を気遣った。

 それでも、修馬は譲る様子を見せない。

「これは、俺が欲しいから、買う。俺が支払うわけだし、俺の自由だよな」

「う、うん……」

 こう言われると、架恋としても断る理由はなかった。

 そもそも、架恋も欲しいので、そんなに強く拒み続けるつもりは一切なかったが。

 修馬はにっこり笑うと、店員を呼んだ。