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天国の扉

猫好き男子と大人な部長8

 その後、キスを終え、身体を離した修馬がゴムを外したり、ティッシュで拭いたり、後始末をしながら言う。

「最高だったよ。いつか、ゴムなしでやってみたいくらいに」

「今度から、ピルを飲もっか。そうしたら、ゴムなしでも安心だから」

「え? いいの?」

 意外そうに言う修馬に、架恋は微笑みながら答える。

「うん、もちろん。修馬君を直接感じてみたいって思って」

 次の瞬間、修馬は架恋に近づき、強く抱きしめていた。

 まだお互い全裸のままで。

「架恋、ありがとな」

「こちらこそ……。ねぇ……ホントに、私でいいの?」

 架恋はずっと気になっていたが、聞きだせずにいたことを尋ねる。

 しっかりと修馬を抱きしめたまま、架恋が言葉を続けた。

「修馬君、すごく人気があるでしょ。もっと素敵な人とお付き合いできるはずなのに……私なんかで」

「俺にとっては、お前だけだよ。人気って言うけど、俺の営業成績がいいから、みんなはそこを褒めてくれてるだけじゃないか。恋愛的な意味で、俺がモテてるわけじゃないと思うぞ」

「ううん、モテてるよ」

 瑞穂のことを思い出し、架恋が続ける。

「私の友達も、修馬君のこと『いいな』って言ってたし……」

「架恋がどうして自分自身のことをそんなに卑下してるのか分からないけど、俺が好きになったのはお前だってことは、何があっても変わらない事実だよ。架恋も俺のこと、好きになってくれたんだろ?」

「うん、もちろん……!」

「だったら、そんなこと言うのは、よせよ。大事なのは、俺たちの気持ちだろ」

 そこで、少しだけ声のトーンを落として言う架恋。

「でもね……もし、私が修馬君とお付き合いを始めたことが知れ渡ったら、きっと妬まれたり、意地悪をされたりすると思う……。せっかく同僚や上司とも仲良くできてる、良い職場なのに、居心地が悪くなったら嫌だから……お付き合いしていることは、しばらく秘密にしていてもいい?」

「架恋がなぜそんなに気にしてるのか解せないところがあるな。俺たち、お互い独身だし、付き合ってることがバレてマズイ理由は何一つないと思うのに。……でも、架恋がそう言うなら、好きにしたらいいよ。俺も秘密は守るから」

「ありがとう……。えっと……信頼できる親友一人だけには、話すかもしれないけど……」

「それも好きにしたらいいよ。俺の方は、一切誰にも言わないから」

「色々とめんどくさいことを言ってごめんね」

 修馬は抱き合う体勢のまま、架恋の髪を優しく撫でて答える。

「気にするなって。架恋が俺と同じ気持ちでいてくれることと、こうして付き合っていけること……その二つだけで俺は幸せだから」

 架恋は修馬の背中に回す手に力を込めた。

「ありがとう……。ホントに、今でもちょっと信じられない……。修馬君が私と付き合ってくれてるなんて」

「それは俺のセリフだ。こちらこそ、ありがとな」

 二人は愛情を込めて、きつくきつく抱き合っていた。