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天国の扉

ちょいS部長の羞恥レッスン56

 そして夜が明けた。

 花火大会の日―――二人の関係が終わる日がとうとう来たのだ。

 平日ということで、普段どおりに出勤する二人だったが、朝からソワソワしてしまう璃子。

 璃子にとって、花火大会はもはやあまり楽しみなことでもなくなってしまっていた。

 何より、藤崎との関係が今日で終了してしまうことにばかり気を取られて。

 職場では特に変わったこともなく時間が過ぎ去り、あっという間に終業時間を迎えた。

 彩乃たち社員に挨拶をしてから、いつもどおり駐車場へと向かう二人。

 いったん帰宅して着替えを済ませてから、花火大会へと向かう予定にしていたからだ。

 帰宅し、リビングに入るや否や、藤崎が言った。

「浴衣の着付けは俺がしてやる」

「あ、私……自分で出来ますよ」

 璃子は他意なく言ったつもりだったが、どうやら藤崎は「嫌がられた」「拒絶された」と思ったらしい。

「お前が出来るかどうかは聞いてないし、今は全く関係ない。俺がすると言っている」

「あ、ありがとうございます」

 素直にそう言うと、衣類を置かせてもらっている部屋へ浴衣を取りにいく璃子。

 今となっては、藤崎の指示に対していちいち拒絶を示していた自分が懐かしく思えるほど、璃子は素直に従う気持ちだけになっていた。

 買ってもらったピンクの浴衣を手にして璃子が戻ってくると、藤崎が再び口を開く。

「じゃあ、今すぐ全部脱いで裸になれ」

「え? 下着もですか?」

「当たり前だ」

 そんなことを予期していない璃子は驚いていた。

 浴衣を着るとき璃子は必ず、その下に下着を着けていたので。

 ただ、ここでももう言い返す気は全く起きなかった。

「分かりました。お願いします」

 璃子は藤崎の視線を少し面映く感じながら、脱衣を始める。

 そして璃子が一糸まとわぬ裸身をさらすと、藤崎がグッと身体を近づけてきた。

 手を伸ばし、璃子の恥丘を薄っすら覆う陰毛を指で触りながら藤崎が言う。

「剃ってから1ヶ月近く経つのに、まだこの程度しか生えてないのか」

 藤崎の言うとおり、璃子の陰毛は少ししか生えていない。

 藤崎の指に這い回られ、璃子はチクチクするような感覚を恥丘に感じていた。

 それと同時に心の中で「こんな、人には見せない恥ずかしい部分を触らせる相手は、高虎さんだけ」と呟き、どこか嬉しいような気持ちが湧いてくるのを感じる璃子。

 藤崎が早くも、自身のズボンの前部分を膨らませていることも、璃子のそんな気持ちを加速させていた。

 璃子は自然と、立ったまま脚を少しずつ開いてしまう。

 湿り気を帯び始めた花裂までもが、藤崎の眼前に姿を現すこととなった。

 その潤む花裂に熱心な視線を向けながら、藤崎が言う。

「もう濡れてきたのか。乳首も立ってきているな。しかし今はまだ早い。今夜は最後ということで、璃子が壊れかねないほど激しく抱いてやるから、それまで待っておけ」

 藤崎が言った「最後」という言葉に、ハッとする璃子。

 嬉しさや喜びはたちまちのうちに、大きな寂しさに取って代わられてしまった。

 すると藤崎が璃子に触れるのをやめて言う。

「着付けを始める」

 璃子は「はい」と言って頷くと、全裸でまっすぐ立ったまま、藤崎が浴衣を着せてくれるのを静かに待つ。

 藤崎は慣れた動作で、あっという間に着付けを終えた。

 ピンクの浴衣は色合い鮮やかで、思わず嬉しくなってしまう璃子。

「こんな可愛い浴衣を買っていただいて、ありがとうございます!」

「よく似合っている。準備ができたら出発するぞ」

 璃子は「はい!」と笑顔で答えながら、藤崎に珍しく褒められたことに対して心底嬉しくなっていた。

 内心「きっとお世辞だろう」と思いつつも。

 ただ、それと同時に、例のあの女性にもこんな事を言ったりしているのかなと思うと、複雑な気持ちになってくる璃子。

 璃子はそんな気持ちをかき消すように首を振ると、黙々と準備を続ける藤崎の広い背中を黙って見つめ続けた。

 さっきの嬉しさはどこへやら、寂寥感で胸を一杯にしながら。

 数分後、準備を全て終えた二人は家を出発し、徒歩で駅まで向かった。