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天国の扉

美術教師の羞恥デッサン75(未桜編21)

 やがて、未桜がクライマックスから抜け出すと、途端にこの状況が恥ずかしくなってしまった。

 自慰をする水島の眼前にて、藪下に自ら乗っかって腰を振った挙句、クライマックスに達したのだ。

 未桜は慌てふためきながら、シンボルから身体を離すと、両手で胸と股間を隠す。

 もっとも、今さら隠したところで、散々見られた事実は消えるはずはないし、そのことを未桜自身も分かってはいたが。

 依然としてシンボルをガチガチに勃起させたまま、藪下が水島に向かって言った。

「どうだった? 少しは楽しめたか?」

「もちろんですよ! いや~先生が羨ましい! 俺も館林を抱きたいです!」

 名残惜しげに自慰をやめつつ、水島が答える。

 薮下同様、水島もまたクライマックスには達していなかった。

「いや、生徒同士で交わるのはまずいだろう」

 恐らく、心にもないであろうことを言う藪下。

 先日、早耶香と俊哉を煽り立てて交わらせたのと同一人物とは思えぬ発言だ。

 それに、生徒同士だけでなく、教師と教え子が交わることも十分まずいはずなのに、完全に自分のことは棚に上げていた。

 不満げに「えー、でも……」と言う水島に向かって、藪下がそっと小声で言う。

「交わる相手が他の女子でもいいなら、このあと耳寄りな話を教えてやろう。ただし、無料でというわけには当然いかないぞ」

「分かりました。もちろん、タダでヤろうなんて思ってません」

「じゃあ、昼休み前にまたこの美術室へ来い。その頃には、今日のデッサンは全て終了し、この部屋には俺だけしかいないはずだ。色々と話し合おうじゃないか」

「はい、ありがとうございます」

 ひそひそこんな会話をする二人のことが気になりつつも、聞き耳を立てるのは申し訳ない気がしたので、未桜は黙って少し離れたところに座り込んでいた。

 藪下は今度はそんな未桜にも聞こえるような大きな声で、水島に対して言う。

「それじゃ、私と館林はこれからまた色々と準備せねばならんことがあるから、水島もグラウンドに戻ってくれ」

「はーい! ありがとうございました!」

 快活に言うと、未桜にも手を振りながら出て行く水島。

 未桜は、二人の会話の内容も知らないので、どうして水島がそんなに上機嫌なのか分からなかったが、自然と手を振り返した。

 水島が退室し、ドアが閉まると藪下が言う。

「前座に体力を使わせて済まなかったな。これからデッサン本番が控えているが、大丈夫か?」

「あ、はい……。何とか……」

 藪下に対して好意を抱いていることが災いし、反射的に答えてしまう未桜。

 その実、もうかなり疲れている上に、それ以上は恥ずかしい行為をしたくない気持ちも大きかったのだが。

 藪下は嬉しそうに言った。

「そうか。よろしく頼むぞ。まだ9時半にもなっていないのか。今から約15分間ほど、休憩としよう。ローブを羽織って楽にしておいてくれ」

 藪下の言葉を「気遣い」だと受け取った未桜は、こころもち明るく「はい」と答える。

 それから藪下は、椅子をセッティングしたり、バッグからファイルを取り出したり、色々な準備に勤しんだ。

【第7章 終わり】