今や未桜の中では、「早くこの苦痛から解放されたい」という気持ちが一番大きくなっている。
それほどまでに、尿意による苦痛が著しくなっていたのだ。
病的にすら見える瞳を鈍く光らせながら、未桜はポーズをやめて素早く椅子から立つと、藪下が置いた洗面器に向かって数歩前進する。
それから脚を大きく開き、洗面器を跨(また)ぐと、その真上からしゃがみ込んだ。
陰毛を全て剃られているので、鮮やかに美しい花裂がよく目立ってしまっている。
全裸の未桜が、洗面器の上にかがみ込んだその瞬間、男子たちはまたしても少しざわめいた。
しかし今回は、野次を飛ばす男子は一人もいない。
皆なるべく声を出すのを我慢し、固唾を呑んで「そのとき」を待っているようだ。
未桜が洗面器に向けて聖水を発射するそのときを。
その美しい花裂や陰豆の包皮などを食い入るように見つめながら。
満場の視線がその一点に集まっていることを感じ取り、未桜は羞恥から少し身体を震わせた。
それでも、尿意が我慢できないレベルまでとっくに到達しているので、徐々に下腹部の筋肉を弛緩させていく。
ところが、未桜の意志に反して、聖水はなかなか飛び出してこない。
真っ裸で洗面器の上にかがみ込んでいることや、そんな場面を多くの男性から見られていることなど、現在の異常な状況が、未桜の肉体に影響してブレーキをかけさせているのだろう。
聖水放出の気配すらまるで感じられないので、未桜は「出そう」と強く念じながら、身体を軽く揺らす。
さらに10秒以上もの時間がかかったが、やっと聖水が噴射口へとこみ上げてくるのを未桜は感じていた。
頬をずっと紅潮させたまま、未桜はふっと目を閉じ、下腹部に全精神を集中させる。
そして―――。
シャーッ。
未桜の花裂から透明な聖水が勢いよく飛び出し、洗面器へと直撃した。
その瞬間、男子たちがあげた大歓声が、部屋中にこだまする。
続いて男子たちの口からは、「すげぇ、マジで小便しちゃってるぞ!」「あんな美少女が丸裸になって、俺たちの見てる前でおしっこしてくれるなんてな!」「あの子は女神すぎる! こんな場面は二度と見られるか分かんないし、しっかり撮っておかなくては!」「すごい勢いで飛び出してるな!」などと、野次の雨霰(あめあられ)が降り注いだ。
歓声と野次を耳にし、ハッと我に返る未桜。
思わず目を開いて男子たちのほうをチラリと見ると、聖水を噴射している花裂に向けて、全員の熱い視線が集中しており、男子の中にはスマホを取り出して明らかに撮影する素振りを見せている者までいることが分かった。
羞恥と狼狽で涙目になりながら未桜が叫ぶ。
「いやぁっ! 見ないで!」
しかし、未桜のそんな言葉がすんなり聞き入れられるはずなどなかった。
そして、未桜が花裂を手で隠そうにも、周囲180度に男子が散らばって取り囲んでいるので、全員の目から隠すことなど不可能なのだ。
また、一度こうして堰を切って放出された聖水を止めることは、もっと不可能だった。
未桜がうろたえている間も、聖水の勢いは弱まらず、細い滝のように洗面器へと流れ落ちていく。
洗面器には、次第に聖水が溜まり始めており、その水面と細い滝がぶつかって、ちゃぷちゃぷと音を立て始めた。
洗面器を満たしながら続く、未桜の聖水ショーを至近距離から鑑賞し、男子たちの興奮ぶりはとどまるところを知らない。
多くの男子がじっとしていられない様子で、「美少女の聖水ショー、たまんねぇ」「こんな場面が拝めるなんて、生きててよかった!」「乳首もマ○コもクリちゃんも綺麗だし、おしっこまで見せてくれるし、まさしく女神だな」「おい、静かにしろよ。ぴちゃぴちゃする音が聞こえにくくなるじゃないか!」「ちょろろろっていう音もいいな!」「洗面器に小便がどんどん溜まっていくな!」「まだ出てるぞ。長ぇな!」「透明で綺麗なおしっこだな! あの子のなら、俺は飲めるぞ!」「永久保存版のオカズだ! しっかり動画撮影しとけよ、みんな!」などの声が次から次へと発せられる。
美しい花裂から相当な勢いでもって射出されている聖水の柱を注視しながら、多くの男子たちは顔を輝かせてはしゃいでいた。