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天国の扉

美術教師の羞恥デッサン7(早耶香編7)

 恥らう早耶香の反応を見て、いっそう満足げな様子を見せる藪下。

 続いて今度は急に少し姿勢を低くして、早耶香の下腹部に顔を近づける。

 これには早耶香も一瞬驚いて身体を揺らしたものの、やはり抵抗や拒絶はできなかった。

 藪下はにんまり笑いながら、早耶香の恥ずかしい部分を覆う陰毛たちを、至近距離からしげしげと眺めつつ説明を続ける。

「続いては、ここだ。陰毛が生えている、『ビーナスの丘』と呼ばれる場所だ。魚谷の陰毛は平均的な濃さだと思う。ただ、あまり手入れされていないのが気になるな」

 部屋中の男子たちの視線が、恥ずかしい部分の毛に集中していることを感じ、羞恥に身悶えする早耶香。

 俊哉も例外ではなく、早耶香の陰毛を熱心に見つめており、そのことが早耶香の恥ずかしさをこれでもかというほど掻きたてる。

 早耶香は心の中で、「やだ……今度は大切なところの毛まで、俊哉君に見られちゃってる……! 俊哉君もモジモジ動いてるし、きっと私のことを『女』として見て、興奮しちゃってるんだ……。恥ずかしい! 次にお話するとき、どんな顔をしてればいいの?!」と叫ぶ。

 また、藪下が言った「あまり手入れされていないのが気になる」という言葉には、まるで貶(けな)されているかのようなニュアンスを感じ、早耶香は少し傷ついていた。

 すると藪下がいかにも「フォローをする」といった口調で言葉を継ぐ。

「まぁ、最初に言ったように、魚谷はモデル初体験なんだから仕方ない。でもこのままだと、デッサンに支障をきたすのも確かだ」

 そう言い終えると、部屋の片隅へと行き、何やら準備を始める藪下。

 数十秒後、洗ったばかりの洗面器を手に、藪下は早耶香のもとへと戻ってきた。

 そして、その洗面器の中から剃刀(かみそり)を取り出して藪下が言う。

「デッサンしやすいように、陰毛を剃ることにする」

 当然ながら、この一言に目を見開いて驚愕する早耶香。

 こんな話は事前に全く聞かされていないのだから無理もない。

 すぐに首を思いっきり左右に振って早耶香が言った。

「そ、そんな……! 嫌です……!」

 だが、早耶香のこのリアクションは想定内のものだったらしく、藪下は少しも動じない。

 藪下は右手でVサインを作ると、早耶香だけに聞こえるような小さな声で言った。

「モデル代にこれだけ上乗せしよう」

 早耶香には「2万円上乗せ」ということだとすぐに分かった。

 それでも、これだけの人数の男子たちが見ている前で、剃毛されるなんてことは、早耶香にとって容易に承諾できる話ではない。

 ただ、少なくとも早耶香の心が少しだけ揺れたのは紛れもない事実だ。

 その様子を見て、今度は右手で「3」を指し示しつつ言う藪下。

「これでどうだ? 嫌ならここでやめて帰るといい。その代わり、前払いで渡した金額以上は出せなくなるぞ」

 こう言われてしまってはもう、早耶香に選択肢はなかった。

 剃毛などはもはや、ヌードデッサンモデルの主旨から大きく逸脱した行為だと早耶香も重々分かっていたのだが、いかんせん多額の報酬があまりにも大きな誘惑だったといえる。

 早耶香が黙って頷き、同意を示したのを見て、勝ち誇ったような声色で藪下が言った。

「よし、話もまとまったから、早速剃っていくことにする。では、このモデル台の上で腰を下ろしてくれ」

 依然として、卒倒しそうなほどの羞恥に苛まれながらも、早耶香は黙って従う。

 横座りで腰を下ろした早耶香に向かって、藪下の指示がさらに飛んだ。

「脚を大きく開いてくれ」

「ええっ?!」

 仰天した早耶香は直後に狼狽の様子を見せた。

 まさかそんな体勢をとらされるとは思っていなかったからだ。

 それでも、藪下が有無を言わさぬ調子で冷たく言い放つ。

「従うことにしたんだろ。いちいち拒絶するのなら、面倒だからもう帰ってもらおうか?」

「……すみません」

 小さく言うと、深呼吸をしてから早耶香は脚を開こうとする。

 しかし、満場の男子たちの視線を浴びていることを意識してしまうと、覚悟を決めたはずなのに、身体が言う事を聞いてくれない。