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天国の扉

奇竹先生の卑猥な日常3(書店編3)

 すぐに呼び止める奇竹。

「お客様、少々お待ちいただけますか?」

 女子高生は「え?」と答えると、目を見開いて立ち止まる。

 いつの間にか、男性店員は、女子高生とドアの間に移動しており、逃走を予防していた。

 間髪をいれずに、奇竹が言う。

「大変失礼ではございますが、バッグの中を確認させていただけますか?」

 即座に驚愕と狼狽の様子を見せた女子高生。

 店内にいる他の客たちの一部は、興味深そうにチラチラと三人の方を確認していた。

 動揺を感じさせる声で、女子高生が答える。

「こ、困ります……! プライベートなものですので!」

 奇竹はもちろん全く動じる様子もなく、諦める様子もない。

「では、別室にて確認させていただけますか?」

「ど、どうしてそんな……疑ってるみたいなことを……?!」

「実は、お客様が本を何冊か、バッグの中にしまわれたのを見ていたのですよ。しかし、もちろん見間違いかもしれません。もし、こちらの勘違いでしたら、慰謝料をお支払いいたします」

 その瞬間だった。

 女子高生が突然、ドアへ向かって突進したのだ。

 しかし、例の男性店員にしっかりと警戒されていたため、彼女の逃走はあっけなく阻止された。

 「何をなさるんですか?!」と言いながら必死で逃げようとする女子高生を、男性店員は無言で押さえつける。

 この騒ぎは、店内の全ての視線を集めていた。

 全員を落ち着かせるように、冷静な口調と大きな声で奇竹が言う。

「皆様、お騒がせして申し訳ございません! 何でもございませんので、引き続きお買い物をお楽しみください!」

 そう言った上で、今度は小声になって女子高生に言う奇竹。

「別室までご同行を願いますよ。もし拒否されるなら、この場で警察に連絡いたします」

 こう言い渡された女子高生はうなだれ、もはや黙って従うしか道がなかった。

 いつもの事務室に女子高生を連れてきた奇竹は、男性店員に向かって言う。

「ありがとう。後は私が何とかするから、今日はもう帰ってもいいよ。素晴らしいお手際だったから、ボーナスは弾むぞ」

 男性店員は嬉々とした様子で「こちらこそありがとうございます。失礼いたします」と言うと、部屋を出ていった。

 男性店員を見送った後、事務室のドアノブを操作し、鍵をかける奇竹。

 元々、従業員たちがこの事務室に用事ができることは稀なのだが、念のために。

 こうして、密室にて女子高生と二人っきりという状況になると、椅子に戻りながら奇竹が言った。

 自分の椅子の隣に用意した椅子を指し示しながら。

「そちらの椅子にお掛けください。私はこの店の店長をしております奇竹と申します。失礼ですが、お名前をフルネームでお聞かせ願えますか?」

「山路花奈(やまじ・かな)といいます……」

 花奈は聞き取りにくいほどに小声で答える。

 軽く頷いた奇竹は、丁重な態度を崩さず、バッグを指差して言った。

「では、バッグの中身を確認させていただきますね」

 言われるがままにその椅子に腰掛けた花奈は、黙ってバッグを差し出す。

 先ほど逃走を阻止されてから、すっかり観念した様子の彼女は、全ての命令に対して従順になっていた。

 自分の椅子に座ると、間をおかずにバッグの中に手を入れる奇竹。

 ほどなくして、コミック数冊を発見した奇竹は、それらを取り出して机の上へ並べた。

 花奈はその様を、絶望感あふれる眼差しで見つめている。

 その身体はかすかに震えているようだ。

「これらのお会計はまだ済んでませんよね?」

「はい……」

 消え入りそうな声で花奈は答える。

 奇竹は淡々と言葉を続けた。

「本来でしたら、即刻、警察とご家族に連絡させていただくところですが……。別の解決法もございます。どうでしょう、お話だけでもお聞きになりますか?」

 花奈は目を丸くすると、「はい」と答えた。

 普通であれば、警戒すべきところなのだが、世間知らずなためか、花奈は多少希望すら感じているようだ。

 奇竹は堂々とした様子で説明した。

「15分間だけ、私の言うことに従っていただく……ただ、それだけです。もしお嫌でしたら、直ちに警察やご家族、通ってらっしゃる学校などに連絡いたしますが……いかがでしょう?」

「あ……従います!」

 花奈は思わず即答していた。

 下卑たニヤニヤを抑えきれない奇竹は、すぐに言う。

「では、服を脱いでもらえますか?」

「え?!」

 花奈は驚きの声をあげた。

 弁解するように、奇竹が言う。

「まだ、身体のどこかに商品を隠されているかもしれませんし。それとも、お嫌ですか? 何なら、今すぐ警察に……」

「あ! ぬ……脱ぎます……」

 慌ててそう答えると、羞恥に顔を真っ赤にしながら、花奈は立ち上がる。

 そして、そそくさと制服を脱ぎ始めた。

 何より、警察や家族に連絡されることが、花奈にとっては恐ろしいようだ。