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天国の扉

怪しい媚薬の研究所51(桜子&徹編14)

 一方、モニター室では、後背位での性交を終えた莉央菜と宮元が、荒い呼吸をしたまま繋がっていた。

 宮元がスッと身体を引き、シンボルを抜き取ると、莉央菜の花裂からは白濁した液がどろりと垂れ落ちる。

 手早くティッシュを使って後始末を済ますと、莉央菜がモニターを見つつ言った。

「あら、作戦Dが成功したみたいね」

 モニターには、すっかり深い眠りに落ち、鈴木らから服を着せられている桜子と徹の姿があった。

 宮元が感慨深げに呟く。

「作戦D成功も確かに素晴らしいんですが……私としましては、あの霧状の薬品と飲用タイプの薬品の併用がここまで大きな効果を生んだということが驚きです」

「確かにね。あの霧状の薬は、持続時間が短いという難点はあるものの、効果自体は絶大なのよ。大量に浴びちゃうと、ケモノのようになっちゃうくらいにね」

「うわー、何だかヤバそうですね。さすがは莉央菜所長の開発したお薬!」

 おどけた調子で言う宮元に、莉央菜は「ちょっと、どういう意味?」と笑顔で突っ込む。

 莉央菜が言葉を続けた。

「倉庫に保管してあるから、くれぐれも慎重に扱ってね」

「了解いたしました」

 礼儀正しく答える宮元。

 微笑みを浮かべたまま、莉央菜が言う。

「何はともあれ、うちのお薬はスゴイ効果ってことが、どんどん実証されていくわね。この調子で、より強力なお薬を開発していかなくちゃ。頑張ろうね」

「もちろんですとも。私も微力ながら協力させていただきます。ただ……」

「ただ?」

 莉央菜が言葉の先を促す。

 宮元は急に真剣な表情へと変わっていた。

 言葉を続ける宮元。

「ただ……このところ、莉央菜所長とプライベートにて二人っきりになったときに、再三申し上げていますように……こんな風に被験者の方を騙すような形で、実験を行うのは、そろそろやめにしませんか?」

「だから、昨夜言ったように、この夏いっぱいでやめるわよ。でもね、騙しているとはいえ、お給料というか、お手当ては破格の金額をお支払いしているわけだし、先方からも一切苦情なども出ていないし、問題ないように思うけど」

「それでも、です。そろそろ、私の良心が痛んできまして」

「でもね、毎回、宮元君だって毎度すごく楽しんでるじゃない」

 笑いながら突っ込む莉央菜に、宮元も苦笑する。

「それは、私だって男ですからね。いったん、実験が決行されてしまいますと、そりゃ、そういうエッチシーンは楽しみになってきてしまいますよ! しかし……しかしですよ、後々になって、罪悪感が溢れてくるわけです」

 宮元は再び真顔になっていた。

 莉央菜がフォローするかのように言う。

「指示しているのは私なんだから、もし仮に私たちに落ち度があるにしても、宮元君が気に病む必要はまるでないでしょ」

「いえいえ、私だって、毎回被験者の方を連れてくる役目をしているじゃないですか。十分に、片棒を担いでますよ」

「そんな、悪事みたいな言い方しなくったって……」

「語弊があったなら謝ります。ただ、実験の際には、もっと違うやり方も試していただきたく思っているのです」

「分かったわ。だから、この夏いっぱいでやめるわよ。宮元君がそこまで言うのなら」

 宮元は少し満足そうに頷く。

「ありがとうございます。それを聞いて安心しましたよ。この夏いっぱいってことで、8月いっぱいまでは、私も今までどおり協力させていただきますから」

「うふふ、ありがとう。引き続き、よろしくね」

 同じく頷いて莉央菜が言う。

 そして、二人は服を着始めた。

「おーい、桜子! 大丈夫か?!」

 聞き慣れた徹の声で、桜子は起こされた。

 むくりと起き上がる桜子。

 ぼんやりした様子で目をこすりながら辺りを見回すと、すぐそばにいる徹に気づいた。

 桜子がきょろきょろしながら答える。

「徹……? あれ? ここは?」

 桜子は大きなビニールシートの上で寝かされており、すぐ隣で徹が座っていた。

 周囲には鬱蒼と茂る草むらと、隙間なく生えている木々が目立ち、まるで山中のような景色だ。

 はるか遠くの木々の隙間からは明るい光が漏れており、まだ日中であることを示していた。

 それでも、木々や草むらに覆われているせいで、桜子たちのいる場所はやや暗い。

 徹が安心した様子で答えた。

「よかった、気がついたか! ここがどこなのかは、まだ俺にも分かってない。桜子が目を覚まさなかったらどうしようと心配していて、それどころじゃなかったから」