部屋に落ち着いて、陸翔が言う。
菜那美の分まで、飲み物を用意してくれながら。
「ああ、ホント夢のようだな。何度も言うけども」
「何度でも言ってよ。私だって、同じだもん」
「そうそう、菜那美が智孝と付き合うことになったって聞いたあの日、絵莉花と俺がどれだけ絶望したか……。あの日の放課後、絵莉花が慌てて、教室前まで俺を迎えに来てくれたの、菜那美も見てただろ。あの後、暗い気分で、絵莉花と俺はお互いの今後について相談したんだぜ。で、その後あっさり別れたと聞いて、絵莉花と俺としては、喜ぶわけにもいかないし、複雑だったな……。あれが、付き合うふりだったとは……。そういうの、やめてくれよな」
廊下で陸翔を待つ絵莉花の姿を見た、あの日のことを思い出す菜那美。
「そうだったんだ……。って……『付き合うふり』は、私たちだけじゃなく、陸翔たちもでしょ。しかも、そっちの方が先に……」
笑って菜那美が言う。
陸翔も笑顔で「まぁな」と言ってから続けた。
「だが、結果オーライってことで。さっきも智孝に言ったけど、絵莉花と俺がああして、付き合うふりをするという作戦をとってなかったら、今こんな風に、全員が幸せにはなってなかったはずだろ」
「うん、それは分かってるよ。あと、お陰で、智孝君や絵莉花さんとも仲良くなることができたし……本当に陸翔が言うみたいに、結果オーライかな」
「だろ?」
またもや得意げな笑みを浮かべる陸翔。
菜那美は「うん」と言い、陸翔の言っていることを認めた。
笑顔のまま陸翔が言う。
「ってことで、交際開始記念に……さぁ、いつもみたいに、ベッドでしようぜ! 菜那美、着付けは自分でできるんだろ?」
「うん、ぜひ! あ、でも、シャワーを浴びてから、ね」
「ここに来て、またそれか~。ま、菜那美らしいや。じゃあ、一緒に浴びに行こうぜ」
「うん!」
元気よく立ち上がる菜那美。
陸翔も同じく立ち上がると、菜那美をグッと抱き寄せ、優しく唇を重ねた。
一瞬驚いたものの、その甘い口づけにうっとりと目を閉じる菜那美。
菜那美のアップにした髪を優しく撫でながら、陸翔は唇を絡ませていた。
やがて、唇を離すと、陸翔が言う。
静かで落ち着いた声で。
「じゃあ、シャワー行くぞ」
シャワーを浴び終えた二人は、裸になって、ベッドの上で座って向き合っていた。
そして、対面座位の体勢で交わる二人。
陸翔のシンボルが、果肉の中におさまると、菜那美は目を閉じながら声をあげた。
「ああんっ!! 奥まで来たぁっ!!」
硬いシンボルの感触に、菜那美はぞくぞくするような快感を感じている。
「陸翔ぉ……私、陸翔の彼女として、抱いてもらってるんだよね?」
「ああ、もちろん。俺はキスもエッチも、菜那美としかしたことがないし、今後も他の人とすることはないからな」
「あはぁんっ……私もぉ! 陸翔だけ! 大好き!」
「俺もだぞ、菜那美」
繋がったまま、二人は再び熱い口づけを交わす。
恋人として初めて交わっている、という状況が、二人の気持ちを最大限まで高めていた。
すぐさま、身体を揺らし始める二人。
菜那美は愛を込めて、陸翔のシンボルに貫かれたまま、身体を動かしていた。
硬くたくましいシンボルが、菜那美の中で暴れている。
徐々に激しい音が立ち始めるほど、二人の動きの速度も増していた。
「ああああんっ!! すごいっ!! 陸翔、好きっ!!」
今まで言えなかった分、何度も何度も「好き」と口にする菜那美。
「俺も好きだ、菜那美。ずっとずっと、一緒だぞ」
「うん、ずっとずっと……ああんっ! いつまでも……! あふぅ……あんっ……。私の身体、もう陸翔専用だからねっ! ああんっ! アソコが、陸翔の形になりたい!」
すると、陸翔が思いっきり菜那美を抱きしめて言う。
「おい、そんなこと言うのは反則だぞ。好きな女からそんなこと言われて、大人しくしてられるはずないだろ」
そして陸翔は腰の動きを倍加する。
菜那美の奥底に届くシンボル先端が、思いっきり果肉をこすりあげた。
「ひゃああうっ!! あああん……すごい!! イっちゃうっ!!」
「俺も、今日はすぐにイっちまいそうだ……。菜那美の中、いつもより締まってるぞ」
「だって……ああんっ。身も心も、陸翔のものになれたから……あんっ! イくぅ、イっちゃうっ!!」
「うっ!」
そして二人は、ほぼ同時に果てた。
シンボルがどくどくと、熱い樹液を吹き上げていく。
愛しい陸翔の樹液が、お腹へ広がる感覚に陶酔しつつ、菜那美は身体を痙攣させた。
果肉はさらなる発射を促すように、シンボルを締め上げていく。
「ああんっ!! 陸翔の熱いのが、いっぱい出てるぅ!! ドックドックって出してるのが分かるよぉ!」
幸せそうな表情で伝える菜那美。
陸翔も快感からか目を閉じつつ、菜那美の名前を何度も呼んだ。
やがて、樹液の噴射がおさまったが、二人は繋がったまま時折キスを交わし、余韻を楽しんでいた。
荒い呼吸を続けながら、菜那美が言う。
「陸翔……すごかった……。まだ、私の中で、ビクンビクンって動いてくれてるよ。大好きな陸翔のが、私をしっかり貫いてくれてて……嬉しいっ!」
「俺も、菜那美を突き刺してて、すごく気持ちいいぞ」
「私たち、一つになってるね……」
「うん、しっかり繋がってるぞ。……なぁ、菜那美。菜那美はまだ志望大学を決めてないんだよな。よかったら……一緒のとこに行かせてくれないか」
「もちろんっ!」
菜那美は勢いよく答えた。
陸翔が安堵の表情を浮かべて言う。
「そっか、よかった。これから、一緒に決めような」
「うんっ! あ、陸翔に、志望校のレベルを、私のせいで下げさせたくないから……私、勉強頑張るね」
「それは、あんまり気にしなくてもいいぞ。俺としては、菜那美と一緒に通いたいって想いが、一番にあるし。まぁ、でも……ありがとな」
「こちらこそ! 陸翔ぉ……大好き! ずっとずっと、一緒だからね!」
「おう、もちろん」
そして、二人は繋がったまま、何度も何度も唇を重ねあっていた。
【完】