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天国の扉

セフレの彼は幼なじみ54

「菜那美、そろそろ抜くぞ」

 繋がったままの状態で、陸翔が言った。

 しかし、菜那美の返事はない。

「どうした、菜那美?」

 にわかに心配になる陸翔。

 様子をうかがうと、菜那美は目を閉じたままだったものの、身体は僅かに動いていたので、陸翔は少し安堵の表情を見せた。

 気絶でもしてしまったのではないか、と陸翔は心配したようだ。

 菜那美のかすかな寝息を聞き、その穏やかな寝顔を見つめつつ、陸翔はそのまま動かずにじっとしていた。

 身体を離さぬまま。

 菜那美の方はというと、あまりの幸福感と安らぎから、ついうっかり寝入ってしまったようで、夢の世界へと入り込んでいた。

 夢の中でも、菜那美のそばには陸翔がおり、いつのまにか裸になっている。

 そして、現実で行ったばかりだというのに、夢の中でも性交が始まった。

 現実ではないということで、感じる快感も、ぼんやりとしたもので、菜那美は終始ふわふわした気持ちだったが。

 それでも、それが夢の中だという認識は、菜那美にはなかった。

 やがて行為を終え、菜那美は身体を離すと、思わず呟く。

「陸翔、好き……! 大好き……! ずっとずっとそばにいて……!」

 現実ではしっかり自分を律しているが、夢の中では理性すら働かないようだ。

 菜那美は何度も陸翔の名を呼び、ありったけの想いを言葉としてぶつけていった。

 夢の中だからこそ、そういうことができたわけだが。

 一方、陸翔は眠る菜那美を起こさないまま、じっとしていた。

 すると、菜那美の唇がかすかに動く。

 そして、菜那美が呟いた。

「陸翔……好き……大好き……。ずっと……ずっとそばに……いて……」

 夢の中で呟いたままの言葉を、寝言として言ってしまった菜那美。

 声のボリュームは小さいが、はっきりと。

 それを聞いた陸翔は、目を丸くして固まっていた。

 呆然とした様子の陸翔。

 自分が寝言を発しているとは露知らず、菜那美は安らいだ寝顔を見せたまま、眠り続けていた。