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天国の扉

セフレの彼は幼なじみ51

 翌日は陸翔と会えないので、菜那美には時間が過ぎるのが遅く感じられた。

 エアコンなしでは過ごせないほどの暑い日で、セミの声もいっそう大きく感じられる。

 雲ひとつない青空が窓の外に広がっていたが、特に用事もなく、暑いのが苦手な菜那美は外出する気が起きなかった。

 なので、家で過ごすことに。

 実にのんびりした一日だ。

 ところが、夕食後になって、菜那美のスマホが鳴った。

 画面を見て、智孝からの電話だと気づいた菜那美。

 そして、すぐに電話に出た。

 挨拶を交わしたあと、智孝が言う。

「菜那美ちゃん、明日って予定空いてるかな? ちょっと話したいことができて」

「うん、明日は大丈夫だよ」

「よかった! じゃあ、11時ごろに家まで迎えに行くよ。昼食がてら、ゆっくり話をしようよ」

「う、うん、分かった。あ、あの……話って……。何かあったの?」

 話の内容が気になる菜那美は、恐る恐る尋ねる。

 しかし、智孝は幾分か声色を明るくして答えた。

「そんなに、急ぎの用事ってわけでもないし、心配しないで。悲しいかな、僕の方は、絵莉花と何の進展もないし……。まぁ、そういうことで、また明日ね。突然、電話、ごめんね」

「いえいえ、じゃあ、また明日」

 そして、智孝が再び「またね」と言って電話を切るのを確認してから、菜那美も切った。

 それから、寝るまでずっと、智孝が何を話したがっていたのかについて、気になって気になって仕方なかった菜那美。

 しかし、「ここでいくら気をもんでいても、何も解決しない。明日になれば分かること」と自分に言い聞かせ、菜那美は床(とこ)についた。

 翌日、午前11時ぴったりに、菜那美の家のインターホンが鳴った。

 すでに出かける準備を済ませた菜那美が応対すると、予期していたとおり、来訪者は智孝だ。

 すぐさま、母に一言伝えてから、菜那美は玄関のドアを開けた。

 智孝と出かけることは事前に母に伝えてあったが、その際に智孝との関係については一切触れていない菜那美。

 どっちみち夏祭りのダブルデートが終われば解消される関係なので、伝えるとややこしいことになりそうだったからだ。

 菜那美が外に出ると、柔和な表情の智孝が門前に立っているのが見えた。

 即座に「おはよう」と挨拶を交わす二人。

 智孝が続けて言った。

「駅前のファミレスでいいかな?」という智孝の問いに、「うん」と答える菜那美。

 そして、二人は連れ立って、駅前へと向かった。

「で、話って……?」

 ファミレスのテーブルに智孝と差し向かいで腰を落ち着け、日替わりランチセットを注文した後、菜那美がすぐに尋ねた。

 二人のいるテーブルを、夏の明るい陽光が差し込んでいる。

 外はうだるような暑さだったが、ファミレス内はエアコンがよくきいており、肌寒いほどだ。

 しかし、そんなことも気にならないほど、菜那美は智孝の話を早く知りたがっていた。