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天国の扉

セフレの彼は幼なじみ49

 二人はすぐに、智孝と絵莉花を見つけることができた。

 初めて見る智孝と絵莉花の私服姿は、菜那美には目新しく映る。

 二人とも端正なルックスなので、「何を着ても似合うんだろうな」と密かに思う菜那美。

 絵莉花の爽やかな空色のワンピースと、同色のつば広の帽子が、特に菜那美の目を引いた。

 智孝の方は、Tシャツにスラックスというシンプルな出で立ちだ。

 挨拶を交わすと、陸翔が智孝たちに向かって言った。

「待たせてすまなかったな」

 智孝は柔らかな表情で手を振って答えた。

「気にしないでいいって。全員揃ったし、出発しよっか」

 他の三人が口々に頷く。

 そして、一向はプールへと向かって歩き始めた。

 女子更衣室に入るとすぐ、絵莉花が菜那美に声をかけてきた。

「今日はよろしくお願いしますね」

 人好きのする笑みを浮かべて言う絵莉花。

 菜那美は「自分からどうやって話しかけようか」と悩んでいたこともあり、少々驚きながらも「こちらこそよろしくお願いします」と言った。

 さらに絵莉花がワンピースを脱ぎながら言う。

 四人とも、下に水着を着用してきたので、着替えは容易だ。

「トモ君とお付き合いを始められたんですよね。トモ君のこと、よろしくお願いしますね」

 突然、話題が智孝のことへと移ったので、やや戸惑う菜那美だったが、すぐに「あ、はい」とだけ答えた。

 そして今度は菜那美が尋ねる。

「夕凪さんは、智孝君と長いお付き合いなのですよね?」

「あ、私のことは『絵莉花』でかまいませんよ。私も『菜那美さん』と呼んでも問題ありませんか?」

「ええ、もちろん」

 菜那美としても異論はなかった。

 絵莉花は「ありがとう」と言ってから、質問に答える。

「トモ君とは小学生時代からずっと一緒ですね。菜那美さんも、陸翔君とは幼稚園時代からのお付き合いだとか。陸翔君が言っていましたよ」

「ええ、そうですね」

 そんな話をしているうちに、二人は着替え終わっていた。

 絵莉花の水着は、ワンピースタイプで、淡いブルーの色合いだ。

 菜那美が言う。

「絵莉花さん、よくお似合いですね」

「ありがとう。でも、菜那美さんこそ。そのピンクの色合いが、菜那美さんの可愛らしいイメージにぴったりですよ」

「そ、そんな……とんでもないです。ありがとう」

 水着の話題になると、陸翔と一緒にショッピングへ行ったことを思い出し、胸が痛む菜那美。

 なので、さっさと切り上げようと、ドアに向かいながら言った。

「じゃあ、二人のところへ行きましょっか」

「そうですね、まいりましょう」

 そして二人は更衣室を後にした。

 更衣室前通路にて男性陣と合流すると、すぐさま智孝が言う。

「二人とも、よく似合ってるよ」

 陸翔も「いい感じだな」と、うつむき加減で言った。

 菜那美と絵莉花は「ありがとう」と返す。

 智孝が元気よく言った。

「じゃあ、行こうか!」

 そして、一向は通路を抜け、プールへと続くドアを開けた。

 四人が入っていくと、プールは予想通りに混み合っていた。

 準備運動をしながら智孝が言う。

「やはり、思った通り、ものすごい混みようだね」

 同じく準備運動をしつつ、絵莉花も同意を示して言った。

「夏休みだもんね。海だと、幾分か人が少ないのかな」

 すると、ここで何かを思いついたかのような様子で智孝が再び口を開いた。

「じゃあ、今度はこのメンバーで、海へも行ってみよう」

 菜那美は「我が意を得たり」とばかりに、頷いて「賛成!」と言った。

 そして内心、「さすが智孝君」と感心する菜那美。

 陸翔と絵莉花も同意したので、日取りは見ていながら、智孝と菜那美は海へ行く約束を取り付けることができた。

 その後、ウォータースライダーに乗ったり、深くもぐったりして遊んだ四人。

 しばらく後、陸翔が急に絵莉花を呼んで言った。

「ちょっと数分だけ、俺たちは向こうへ行っておくよ」

 これを聞いて、智孝の顔が見るからに曇った。

 菜那美としても寂しい限りだったが、どうすることもできない。

 菜那美と智孝は「また後で」と言って、二人を見送った。